「私ね。ずっと料理研究家になりたかったの。
ようやく夢が叶って、嬉しくて仕方ないの。
料理を通じて、人や食と関われて日々、本当に感謝です。」
いったい、その細くてちっちゃいからだの、どこにそんなパワーがあるのでしょうという
私の質問に、島根の料理研究家の小早川洋子先生は、
笑いながら、そんなお答えをなさってました。
真っ白いフリルのついたエプロンがお似合いで
年上の女性に対して、失礼な表現かもしれませんが、
少女のように可憐で、守ってあげたくなるような雰囲気のある可愛らしい方でした。
作るお料理は、彼女の人柄が出ていて
丁寧で、ホッとする味を作る方でした。
急に、夭折なさったご連絡をいただいたとき、
まったく実感が湧きませんでした。
洋子先生が、お教室をなさっていた自由が丘のスイーツフォレストで
関係者が集まって、しめやかに偲ぶ会が行われました。
直伝のお料理をいただきながら、
みなさんと思い出話をして、たくさん泣いて、たくさん笑って
ふたたび、先生を通じた絆を深めた良い時間を過ごしました。
私は、お葬式やお墓は、生きている人の心を慰めるものだと思ってます。
大切な人に、会えなくなることが、悔しかったり、悲しかったり。
残された人が、生きてゆくための大事な儀式や忘れないための象徴だったり。
ヒトに生まれた以上、いつかは、みんな別れがくるけれど、
どんな風に生きて、人と関わるのかが重要だと思ってます。
関わった人の心に、なにかを残せるとしたら、
それはきっと人生で人が出会うことの意味。
洋子先生のまっすぐで前向きな生き様は、
私の心に、たくさんのことを残してくださいました。
あなたのことは忘れません。
短い間でしたが、お会いできて本当に嬉しかったです。
ありがとうございました。
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